■「イナズマしてもらえば点が入る」

 さらに彼は持ち前のスピードで右サイドを席巻する。対峙するシュロッターベック(レバークーゼン)は対応に手を焼き、全くと言っていいほど止められない。日本は一時同点に追いつかれたが、前半22分に突き放す。再び冨安の大きな展開から伊東が受け、絞り気味の位置でシュロッターベックを引き付け、鎌田に預け、菅原へ。

 次の瞬間、エリア内に侵入しフリーになっていた伊東が折り返しをもらって右足シュート。上田綺世(フェイエノールト)が左足でコースを変えて押し込むという見事な崩しで2点目を奪ったのである。

 このプレーに象徴される通り、位置取りと駆け引き、組み立てへの関与、フィニッシュと伊東は文句なしの動きを続けざまに披露する。菅原が「イナズマしてもらえば点が入る」と評した通りの頭抜けたパフォーマンスで圧倒的な違いを感じさせたのだ。

 10カ月前のカタールワールドカップ(W杯)初戦では前半から劣勢を強いられ、攻撃面の持ち味をほとんど出せなかった伊東。今回と同じ右MFでスタートし、左右のシャドウ、右ウイングバックと複数ポジションでプレーしたが、最後まで守備に忙殺され続けた。

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