後藤健生の「蹴球放浪記」第178回「こんな所、二度と来ないと思ったのに~ パート2」の巻(1)FC東京のレジェンド誕生の第一歩となった南米の街の画像
ワールドユース・アルゼンチン大会。ロサリオ会場の入場券 提供/後藤健生

 一期一会という言葉がある。蹴球放浪家・後藤健生も、最後の出会いになるかもしれないと思い、取材をすることがある。だが、時には期せずして早々と再会のタイミングが訪れることもあるのだ。

■ジョホールバルの思い出

 1997年のワールドカップ・フランス大会アジア最終予選はホーム&アウェー方式で行われ、大変にドラマチックな展開となりました(なってしまいました)。そして、11月16日のイランとのアジア第3代表決定戦に勝って、日本は初めてのワールドカップ出場を決めました。

 そのイラン戦の会場となったのが、マレー半島最南端にあるジョホールバルでした。

 僕は、実は半年ほど前にもジョホールバルを訪れていました。ワールドユース選手権(現U-20ワールドカップ)の準々決勝でU-20日本代表がガーナに敗れた試合でした。

 それが、6月29日のこと。その夜、僕は「ジョホールバルなんて、もう二度と来ないだろうなぁ」と思いながらシンガポール行きのバスに乗り込んだのを覚えています(「蹴球放浪記」第169回「こんな所、二度と来ないと思ったのに~」参照)。

 しかし、それからわずか半年も経たないうちにジョホールバルで日本のサッカー史に残る試合(イラン戦)を観戦することになったのです。

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