9月19日、川崎フロンターレはACL初戦としてスルタン・イブラヒム・スタジアム(マレーシア)でJDT(ジョホール・ダルル・タクジムFC)と対戦。独特の空気に包まれたスタジアムで、1-0の勝利を収めた。(中編からの続き)
この試合では、Jリーグと異なるレギュレーションがあった。交代枠こそ「5」で変わらないものの、ベンチには12人が入ることができた。異国の地で戦うフロンターレも当然、12人の選手がメンバーに入った。国内公式戦の7枠と比べて、5人もの多くの選手がJDT戦をピッチ横で見守り、そして、出場に備えることとなった。
多くの選手が同じ空気を味わえばこそ刺激や経験になったのではないか、そう鬼木達監督に聞くと、「いやもう確実にあると思いますね」とし、次のようにチームの空気を明かす。
「(マレーシアでは)非常に集中した期間だったんですよね。試合に出たメンバーだけではなくて試合に出られなかったメンバーもそうです。現地に行って次の日のトレーニングは非常に集中したものがありましたし、試合翌日も、(試合に)出てないメンバーでトレーニングをしたんですけど、そこでも非常に質の高いトレーニングをできましたし。
そういう意味で言うと、試合で得られるものがありますけど、試合には出てないけれども悔しさを募らせる選手も当然いると思いますので、そこへの刺激や考えっていうのは大きく成長する部分でもあるのかなと思います。それも含めてJリーグにエネルギーとして注いで欲しいなっていう思いは非常に強いです」
試合に出ることがかなわなかった選手もいたが、こうした経験を無駄にしまいという気持ちがそれぞれに充実した時間を過ごさせ、そして、試合出場への刺激として作用したようだ。