「あれしか方法がない」川崎・マルシーニョがスーパーバイシクル弾を決める直前に考えたこと。ACL白星発進をもたらした「チームのメンタリティ」も明かすの画像
ACLジョホール戦でプレーする川崎フロンターレのマルシーニョ 撮影:中地拓也

 9月19日、川崎フロンターレは敵地で迎えたACLグループステージ第1戦のジョホール戦を1-0で制した。この試合で唯一となったそのゴールを決めたのはマルシーニョで、圧巻のバイシクルシュートを炸裂しての得点だった。

 そのゴールは、一本のクロスが始まりだった。右サイドでボールを持った家長昭博は、体を中に向けると左足でゴール前にやや山なりのボールを入れる。それを相手DF、そしてGKと競ったのが瀬古樹で、その頭に当たったボールはファーの方向に、再び山なりとなって飛ぶ。

 マルシーニョはそのボールに反応。マイナス方向に走ると、その落下点でバイシクルシュートを選択。そして見事に、ゴールネットを揺らしたのである。

 体がとっさに動いたゴール場面だったが、試合後、「あのタイミングでトラップをしたら、相手DFが来てたので、あれしか方法がないと思いました」と振り返っている。プロになって初めて決めたバイシクルだというが、相手の最終ラインの堅牢さを知っていればこそ選択したシュートだった。

 ちなみに、後半に迎えたチャンス場面でバイシクルを決める可能性があったか聞いてみると、「ゴール方向に走っていたこと」、そして、「ボールが速かった」ことを理由に否定しており、身体能力任せではなく、状況を見極めての判断が先制ゴールにつながったことが分かる。

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