■「今日は3回チャンスがあった」

 そんなマルシーニョは、「今日は3回チャンスがあった」と話し、残りの2つを、前半30分過ぎの「キーパーの顔に当たったシーン」と、「ヤス(脇坂泰斗)からボールを受けたシーン」とした。

 悔しさを表情に出しはしたが、「これらのチャンス決めることはできなかったですけども、チームとして勝利できたことが一番うれしい」と話し、チームに対する愛を感じさせている。

 そのジョホールに対し、チームの分析の時点で厳しい試合を予想していた。「(ジョホール)はいつも5-0や6-0とか、そのようなゲーム結果で勝ち続ける本当に素晴らしい強いチーム」としているからだ。

 その中で実行したのは、矢印を自分たちに向け続けることだった。「相手のことだけではなく、フロンターレの選手が個人個人で持っている能力は高い。本当に全員のメンタリティが必ずここでいいプレーをして、良いゲームをして勝利を収めるというふうに考えて来ていました」と話す。

 そして、「そのメンタリティを持ちながら最後の最後までずっと、勝つんだという強い気持ちで戦ったからこそ、今日の勝利に繋がった」と話し、「本当に今日の勝利はチーム全体の一人一人の努力と気持ちが出て結果に結びついた」と、この試合に向けて保ったメンタリティを勝因としている。

 怪我から復帰し、2試合連続得点を決める絶好調のマルシーニョ。「とてもいい状態になっているので、これを引き続きやっていきたい」と話す意気込み通りに次戦は捉えられるか、再び視線を集めそうだ。

(取材・文/中地拓也)

  1. 1
  2. 2