■フランス人も知らない駅名

 パリのリヨン駅までプッチャルダ行き乗車券を買いに行ったのですが、係員は「プッチャルダ」という駅名を知りませんでした。まあ、国境の向こう側の片田舎の駅まで知らないのは当然かもしれません。で、地図を引っ張り出して「ここだ」と指さして、ようやく無事に乗車券を買いました。

 パリ発の夜行列車で行くと朝8時に国境の手前のラ・トゥール・ド・キャロル駅に着きます。そして、反対側に停まっている列車に乗り換えると国境を越えてプッチャルダ駅まで行くことができます。

 ピレネー山脈の大きな盆地の中、小高い丘の上にプッチャルダの街はありました。

 投宿した「リサ・ベルベデレ」ホテルも、また周囲の建物もすべて美しいスレート屋根だったことが印象に残っています。

 今、日本で使われているスレートはほとんどが「人造スレート」ですが、元々スレートというのは粘板岩を板状に割ったもので、昔から屋根材として広く使われてきました。おそらく、プッチャルダ近くの山でもスレートが採れるのでしょう。

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