画像・写真:2点ビハインドからの大逆転劇、「フィジカル的にここまで状態が悪い試合は記憶にない」スコルジャ監督を嘆かせたロドリゲス監督の狙い【柏レイソルvs浦和レッズ】激闘PHOTOギャラリー 原壮史 J1 柏レイソル 浦和レッズ 長沼洋一 松尾佑介 瀬川祐輔 小西雄大 Jリーグ 2025.08.26 前節終了時点で首位から7位・浦和までの勝ち点差はたったの4に。5位と7位の対戦は、混沌の度合いを増しているJ1優勝争いを左右しかねない直接対決となった。序盤から小泉佳穂(写真右)、マテウス・サヴィオ(写真左)両軍の背番号8が火花を散らした。(20250822)撮影/原壮史(Sony α1使用) 7月20日の鹿島との天王山の敗戦を引きずることなく、8月10日にホームで文句なしのクオリティを見せつけて勝利した柏。タイトルへ向けて一気に再加速するかと思われたが、17日に岡山に完璧な対策をとられ、いきなり黒星がついてしまった。(20250822)撮影/原壮史(Sony α1使用) ボランチや左右のCBと攻撃陣の分断を発生させるためのハイプレス。コンパクトなブロック形成と明確なクリア。中盤の省略とカウンター。岡山が示した対策は、これから柏と対戦するチームへの光明になり得るものであり、柏が優勝するためには、それを乗り越えられるかが焦点となりそうだ。(20250822)撮影/原壮史(Sony α1使用) 立ち上がり、浦和は柏のGKからボランチにかけてのエリアでハイプレスを見せ、ビルドアップの猶予を与えずに自分たちの勢いを出すことに成功。5分という早い時間にコーナーキックから先制点も奪い、順調な滑り出しを見せた。(20250822)撮影/原壮史(Sony α1使用) しかし、追いかける柏がボールを持つようになると、浦和はハイプレスを続けるのではなく、重心を少し低くして対応。追加点を狙う攻撃は後方からのロングボールを主体とし、金子拓郎とマテウス・サヴィオの質をピンポイントで使いつつ、中央で時間をかけることなくカウンターの形で最終ラインとの勝負となる場面を作り出した。すると43分には狙い通りの形でゴールが生まれ、0-2でハーフタイムに。(20250822)撮影/原壮史(Sony α1使用) 2試合続けて相手が狙った通りの前半にさせてしまった柏だが、自分たちのスタイルを崩すことはなかった。引いて守る浦和に対し、DFラインとボランチがボールをコントロールすることが容易となったことを活用して得意の形で押し込む。浦和は重心を思い切り下げ、耐える形をとったが、ハイプレスではなくボールを動かされ続けたことによる疲弊に襲われ、押し上げるべきところで押し上げることができない。「フィジカル的にここまで状態が悪い試合は記憶にない」(マチェイ・スコルジャ監督)という状況になってしまい、54分に1点を返されると選手交代でも運動量を上げることができず、83分にとうとう同点に。同点弾を決めたのは、途中出場の日本代表FW細谷真大(写真右)だった。森保監督が視察に訪れた試合で結果を残してみせた。(20250822)撮影/原壮史(Sony α1使用) 動くことができなくなった浦和に対し、あとは柏にゴールが入るかどうかのみ、という展開の中、90分に小西雄大のクロスがそのままゴールとなり、逆転。アディショナルタイムにもう1点入り、柏が4-2で大逆転劇を完結させた。(20250822)撮影/原壮史(Sony α1使用) 攻撃の方法では岡山の柏対策と重なる部分が大きかったものの、ハイプレスを早めに終了させ、重心を下げて自分たちのやり方で勝利をつかもうとした浦和。しかし、柏はボール保持で相手を疲弊させ、逆転まで辿り着いた。鹿島戦の次の試合で勝利、岡山戦の次の試合でも勝利、と、負ければズルズルといってしまいそうな状況で勝利をつかみ取ることができた。ロドリゲス監督は、ダメ押しとなる4点目を決めた久保藤次郎を抱きしめた。(20250822)撮影/原壮史(Sony α1使用) 「ボールを支配し、相手を動かす・走らせることによって彼らの足が止まる。それこそわれわれの狙い」(リカルド・ロドリゲス監督)今の柏に勝つには、戦術的な対策と同じかそれ以上に運動量での勝利が欠かせず、それがいかに難しいかということが伝わる試合となった。岡山が柏を倒す方法を見事に披露したことは確かだが、それを完遂できるチームは決して多くないだろう。柏がまた一歩タイトルへ前進した。(20250822)撮影/原壮史(Sony α1使用) 写真の記事へ戻る