８月３０日に新潟で行われた天皇杯準々決勝、川崎フロンターレ対アルビレックス新潟は延長を戦っても決着つかず、PK戦へともつれ込む熱戦に。そんなPK戦の最初のキッカーは小林悠だった。
「オニさんが決めたんですけど、たぶん一番だろうなと思っていました」
鬼木達監督からの信頼感と、小林自身の自負の両方が伝わる言葉に続き「結構、新潟サポーターが後ろ、すごかったので。蹴る前は『おおっ！』って思いましたけど、まあでもすごく落ち着いて自分がしっかり流れを作っていこうと思って蹴ったので。しっかり決められて良かったです」と穏やかだった。
そんな小林のPKは、最後までGK阿部航斗から目を離さず、インパクトの瞬間に軽くジャンプし、GKの逆に流し込むというもの。鬼木達監督の期待通りにゴールを決めた小林は、チームメイトのもとに戻る時に後ろを振り返りチョン・ソンリョンに何事かジェスチャーでメッセージを伝えていた。
「ソンリョンの見せ場だなと思っていましたし、PK戦ほどキーパーの見せ場はないので」とそのときの心境を口にした小林は、結果的に2本のPKを止めたソンリョンについて「信頼は厚いですし、ソンリョンならやってくれるだろうなと思ったら、結局二本止めてくれたので。頼りになりますね」と笑顔だった。
後半開始から出場の小林には決定機はあったが決めきれず。その悔しさを延長後半３分に山田新が決めた逆転弾のアシストに結びつけ、さらに先陣を切ったPK戦で流れを作るなど、ベテランとして十分な働きだった。
