■大騒ぎの予感が…
スペインは、トップの選手がいわゆる「偽の9番」で、インサイドハーフがトップに飛び出してきたり、いかにもスペインらしい戦術的なサッカーをしてきました。
ところが、日本のDF陣がそれに対して完璧な対応をします。
ボランチやサイドバックがカバーできる時には、下りていく「偽の9番」にセンターバック(南萌華や高橋はな)が付いていきますが、カバーがいない時には深追いはせずに、MFが飛び出してくるスペースを消す。相手の動きに合わせて集団で守備を固めます。
カタール・ワールドカップでは男子の日本代表もスペインに勝利しましたが、あの時は前半に猛攻を受け、「よく1失点ですんだなぁ」という印象でしたが、女子代表はまったく危なげない戦いでした。
ポゼッションではスペインが大きく上回っていたのですが、危険なシュートは撃たれません。しかも、スペインのDFが不用意に攻撃に出てくるので、裏に大きなスペースが生まれます。そして、日本は最初からそのスペースを狙っていたのです。
カウンターが面白いように決まり、前半は3回のチャンスで3ゴールを陥れ、3対0でリードで終わりました。
男子のスペイン戦の勝利は「三笘の1ミリ」も含めてミラクルでしたが、今回の女子のスペイン戦勝利は奇跡などではなく、「必然の勝利」だったように思います。
さて、試合が終わり、記者会見が終わると、夜の10時。スタジアムから徒歩20分ほどのホテルに向かいます。「試合後は、騒いでいるサポーターがいるに違いない」「まだ10時だから人通りも多いだろう」と思って歩き出してビックリ。ホテルまでの道は閑散としていて、レストランなどもすでに店じまいしていたのです。
とにかく、夜が早いのです。この国は……。真っ暗な道でも治安は良さそうですが。