■黒縁眼鏡の男性
さて、せっかく仮眠していたのを起こされてしまった僕は、搭乗口のそばまで行って、そこでもうひと眠りすることにしました。
搭乗ゲートのそばの椅子で、僕は再び眠りに落ちました。周囲には、日本人サポーターの姿もたくさん見えていました。
そして、また時間が経過していきました。
眠っている僕の顔の上で、誰かが「後藤さん、後藤さん」と声をかけてきたので目を覚ましました。
「う~ん、今度は誰なんだ~」
目を開けると、黒縁のメガネをかけた男性の顔がありました。一瞬、いや、しばらくそれが誰なのかわかりませんでしたが、よ~く見るとそれは三浦知良(カズ)でした。
黒縁の眼鏡をかけたカズを見たことがなかったので、分からなかったというわけです。
寝ぼけ眼をこすりながら日本代表の戦い方についてしばらくしゃべった後、カズは行ってしまいました。
こうして、ナタウの空港ではVIPの皆さんに起こされて、あまり眠ることもできずに、僕はベロオリゾンテに向かいました。幸い、翌20日は試合観戦のない休日。ベロオリゾンテでは、21日にイラン対アルゼンチンを観戦。アジア勢総崩れの中で、イランはアルゼンチンに大善戦。
リオネル・メッシが決勝ゴールを決めたのは、後半アディショナルタイムに入ってからのことでした。