■格上相手にいかに戦うか

 もちろん、“格下”相手にはそういう戦い方でも5ゴールを取ることができた。だが、グループリーグ3戦目で対戦するスペインや、その後の決勝トーナメントで顔を合わせる強豪相手には、それだけではゴールは奪えない。クロスを入れても、相手DFはきちんと対応してくるだろう。そうなれば、2人目、3人目が関わって来ないとなかなか得点は生まれない。

 しかも、相手の攻撃力も高くなるのだ。

 つまり、3試合目以降は、戦い方を変えていかなければいけないのである。

 もちろん、池田太監督はそんなことは承知の上で、そのためのプランも立てているに違いないが、それを練習グラウンドでどれだけ落とし込んで、ピッチ上でどれだけ表現できるかに日本の上位進出が懸かっている。

 VARの介入で得点が取り消され、PK獲得も幻に終わった。だが、それでもまったく焦れることなく、集中して相手を抑え込み、着々と得点を重ねた日本代表。

 選手全員がそれぞれに課せられたタスクを完璧にこなした、非常にプロフェッショナルな戦い方だった。「勢い」で勝ったのではなく、「大人の試合」をして戦略通りに戦って勝利したところを大いに評価すべきだろう。

(3)へ続く
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