■遠藤航「プレミアリーグでやりたいって夢はありつつも」
6月シリーズで新たにキャプテンに就任した遠藤航(シュツットガルト)と新10番を襲名した堂安律(フライブルク)も、現段階では現状のクラブで新シーズンをスタートさせることになりそうだ。
堂安は昨季PSVからフライブルクに赴いたばかり。そもそも移籍の可能性は低いと見られていたが、昨季同様、リーグとUEFAヨーロッパリーグ(EL)を掛け持ちしながら一層のレベルアップを狙っていくのだろう。
昨季の彼は「得点10・アシスト10のクラブ公式戦20スコアポイント」を掲げながら、結果的には得点7・アシスト5の合計12にとどまった。その数字には本人も納得していない。昨季あと一歩で逃したUCL出場権を自らの力で勝ち取ることも重要命題だ。中村俊輔(横浜FCコーチ)、香川真司(C大阪)、南野拓実(モナコ)といった過去の歴代10番が立ったUCLの舞台に堂安辿り着けば、彼の存在価値も一気に上がる。そうなるように、25歳の1年間を充実したものにしてほしい。
一方の遠藤航は移籍もあり得る状況と見られていた。昨季途中に所属先のスポーツダイレクター(SD)が交代したうえ、クラブの財政難も懸念されているからだ。とはいえ、19−20シーズンからキャプテンを担い続け、21−22・22−23シーズンと続けてブンデスリーガ1部残留請負人になった攻守の要をクラブ側もそう簡単には放出できないはずだ。
本人も「プレミアリーグでやりたいって夢はありつつも、30歳になって少し落ち着いたところもあるし、家族もいるから、ホントに何が何でもプレミアに行くっていうのが本当にいいことなのかなという思いもある。もちろんカタールW杯を終えて、UCLに出たいという気持ちも芽生えているから、それも含めて考えたい」と話していたが、やはり30歳という年齢はハードルが高いのかもしれない。
8月末の欧州移籍期限までには何が起きるか未知数ではあるが、彼が安定した活躍をしてくれることが代表にとっては望ましいは確かだろう。
(取材・文/元川悦子)