■清水は「アウェイの戦いかたを見直し」
「超攻撃的」が、ピッチを支配した。
J2リーグ第24節が7月5日に開催された。7位の清水エスパルスは、敵地ユアテックスタジアム仙台で12位のベガルタ仙台と対戦した。
前節から中3日の連戦である。今回のように試合間隔が短い場合、秋葉忠宏監督は積極的に選手をローテーションしてきた。しかし、この日は前節からの入れ替えを3人に止めた。秋葉監督は、
「前節に勢いの出る強い勝ちかたをしてくれたからこそ、あまりいじらないほうが得策だと思いました。選手のあふれ出るパワーみたいなものを中3日で感じることができましたので、それは思い切り解放したほうがいいだろうと」
と語り、後半アディショナルタイムの劇的弾でV・ファーレン長崎を退けた前節の勢いを、そのままこの試合にぶつけようとしたのである。
そのうえで、「アウェイの戦いかたを見直した」と秋葉監督は言う。
勝点獲得のペースが鈍った5月中旬から6月末までを振り返ると、アウェイで3敗を喫している。アウェイの通算成績でも、3勝5分4敗と黒星が先行する。直近のアウェイゲームもザスパクサツ群馬と勝点1を分け合っただけに、指揮官は「しっかりとした守備から入ること」を選手たちに強調した。
「でもそれは消極的になることでも、引いて守ることでもなく、超攻撃的に、超アグレッシブに守備をする。もっと言えば先制点を与えない。全員でそういうものを体現する。守備から先手を取る。先制点を与えなければ、我々には破壊力がありますから、必ず点が転がってくると思っています」
果たして、11分に先制点を奪う。左CKをニアサイドのFW北川航也が頭ですらすと、ゴール前のMFカルリーニョス・ジュニオが右足でプッシュした。仙台のゾーンディフェンスの間で、巧みにボールにコンタクトしたのだった。