■前節を教訓に「追加点プラス無失点」で終える
早い時間帯に先制した清水は、19分に追加点を奪う。前線から構える北川の足元に、相手CBのパスミスが入ってくる。北川はそのまま持ち出し、ゴール前へ走り込んだMF乾貴士へつなぐ。背番号33は右足のアウトサイドでプッシュした。乾は2試合連続のシーズン5ゴール目である。
前半はそのまま2対0で折り返した。前節の長崎戦と同じスコアで折り返したが、後半の展開は違ったものとなる。一度は2対2に追いつかれた前節を教訓として、守備でスキを見せないのだ。相手の狙いの一歩先をいく対応で、決定的なシーンを与えないのである。
54分にはダメ押し弾が生まれる。カルリーニョス・ジュニオと乾の連携で相手守備陣を翻弄し、ブラジル人アタッカーがこの日2得点目を蹴り込んだ。
前がかりになる仙台の背後を突いて、その後も好機を迎えた。チャンスを生かしていれば4点目、5点目を決めることもできた。一方で、仙台に際どい場面も許した。前半はシュート1本に抑えたが、後半は7本のシュートを浴びた。ゲームの終わらせかたには課題を残したものの、3対0で終了のホイッスルを聞いたのだった。
試合後の秋葉監督は、前節を受けての修正に触れた。
「前節と同じ2対0のシチュエーションで失点せず、追加点を取って終える。中3日でこれだけの修正をしてみせる。痛みを伴った経験を必ず無駄にしない。同じ過ちを繰り返さないたくましさとか賢さ、そういったものがすごくある選手たちです」と、チームのパフォーマンスを讃えた。
3日後の次節は、3位の大分とのアウェイゲームだ。勝てば勝点差は「1」に縮まる。「最大限の準備をして、心と身体を整えて、しっかりと勝点3を取れるように全員でやっていきたいと思います」と、秋葉監督は高らかに宣言した。