■2点差を追いつかれた清水は…
勝利を逃した群馬戦と秋田戦の清水は、先制点を許していた。一方、秋葉監督のもとではリーグ戦で先制した試合で7勝1分と不敗を誇る。14分に先制したこの日は、28分にMF乾貴士がチームの2点目を叩き出し、5試合ぶりの複数得点を記録する。乾は14節のいわきFC戦以来9試合ぶりの得点だ。
清水が次の1点を決めれば、その時点で試合の行方は決したに違いない。ところが、38分と58分の絶好機を逃してしまう。後半開始とともに4枚替えを敢行していた長崎に主導権が傾いていき、61分と68分に失点してしまった。
秋葉監督は70分までに5枚の交代カードを使い切り、システムを3バックに変更する。前線にはチアゴ・サンタナと北川が並ぶ。90分には乾がフリーでボレーシュートを放つが決め切れない。2対2のドロー決着が濃厚となっていくなかで、90+1分にIAIスタジアム日本平が歓喜に沸く。
右ウイングバック北爪健吾のクロスから、ペナルティエリア内左の乾がシュートする。チアゴ・サンタナがこのシュートに反応し、ゴール方面へボールを押し出す。これがバーを叩くと、北川が左足でプッシュする。土壇場でリードを奪った清水が、3試合ぶりの勝利をつかんだ。
試合後の秋葉監督は「我々にとっては価値のある勝利」と、最終盤のチームのパフォーマンスを讃えた。次節からはアウェイの連戦で、対戦相手はベガルタ仙台と大分トリニータだ。J1昇格候補と呼ばれてきたライバルを叩き、順位をあげていきたい。