■日韓W杯招致との差
だが、JFAは大会招致のために最大の努力をしたと言えるのだろうか?
今から30年ほど前に、日本は2002年の(男子)ワールドカップ招致のために大変なエネルギーを使った。
当初は、当時のジョアン・アヴェランジェFIFA会長の支持を受けて日本単独開催が無風状態で決まると思われていたが、その後、韓国が立候補。韓国協会の鄭夢準(チョン・モンジュン)会長の下で招致争いは激化し、両国間でデッドヒートが繰り広げられ、最終的には両国の共同開催が決まった。
長沼健会長をはじめ、当時のJFA幹部は全世界に足を運んで各国協会、各大陸連盟に支持を訴え、長沼会長の移動距離は「地球を19周分」などと報じられた。
誰もが成功を疑問視する中でのサッカーのプロ化(Jリーグの発足)。そして、2002年のワールドカップ開催。この2つが両輪となって、Jリーグは成功を収め、日本代表の強化は進み、日本は今では(男子)ワールドカップの常連国となり、2大会連続でラウンド16進出に成功するまでになったのだ。それを実現するために、当時のJFAはまさに「なり振りかまわない」ような必死の努力をした。
では、WEリーグの成功。そして、2023年のワールドカップ招致のために、現在のJFAは30年前のような努力をしたのだろうか?