2023年7月に開幕する女子ワールドカップの放映権問題が、まだ解決していない。現状では、日本での放映が決まっていないのだ。これは単なる一過性の問題ではない。サッカージャーナリスト・後藤健生が、その根幹に切り込む。
■W杯開催国の本気度
もちろん、オーストラリア・ニュージーランドも女子サッカー振興のためにワールドカップ開催が必要だったのだろう。いや、南半球の2つの国では、サッカーは必ずしもナンバーワン・スポーツではないので、男子も含めたサッカー振興のきっかけにしたいはずだ。
そのため、2023年大会について両国とも積極的で、これまでの女子ワールドカップに比べて明らかに最大規模の大会となるはず。日本開催が実現できていたとして、オーストラリアとニュージーランドのような大会にできなかったかもしれない(南半球の両国では、オーストラリアン・ルールズ・フットボールやラグビー系のフットボールが盛んな国だ。そして、2023年9月にはユニオン・ラグビーのワールドカップというビッグイベントが控えているために、国民の関心は女子ワールドカップに向いていないという情報もある)。
従って、結果としてワールドカップ招致に失敗したのは仕方のないことだったかもしれない。