■首位・町田には「スランプ知らず」の武器がある
結果の受け止めかたは様々だ。内容を伴った勝利があれば、幸運に恵まれた勝利もある。あるいは、引分けや敗戦を受け入れなければならない試合もある。
FC町田ゼルビアにとってのJ2リーグ第22節は、「勝点1を受け入れる試合」だった。
黒田剛監督率いる町田は、前半戦を首位で折り返した。後半戦のスタートとなる6月24日開催の今節は、18位の水戸ホーリーホックが相手だ。守備時は3バックから5バックになる相手に対して、前半は効果的な攻めを繰り出せなかった。
コンビネーションを生かした敵陣への侵入に苦しむが、町田の前線にはJ2規格を超える強力なデュオがいる。オーストラリア代表FWミッチェル・デュークと、ブラジル人FWエリキだ。少しぐらいラフなボールでも、彼らならどうにか収めてくれる。5分には前線へのパスをMF荒木駿太がペナルティエリア手前で収め、落としたボールをデュークが右足で狙った。相手GKを鋭く襲う一撃を見舞った。
左SB翁長聖のロングスローも大きな武器だ。たとえ押し込まれる展開でも、敵陣でスローインを得れば得点機に成り得る。相手にストレスを感じさせることができる。ロングスローはスランプに陥ることのない大きな武器だ。
果たしてこの日も、ロングスローをきっかけに相手ゴールへ迫った。37分、右サイドから翁長がボールを入れると、混戦からMF平河悠がプッシュする。これはオフサイドで取り消されたが、町田は得点の予感を漂わせながら前半を終えた。