■「このまま一生入らないんじゃないかと思った」

 長い長いトンネルをようやく抜けたのが、2022年6月のガーナ戦(神戸)。念願の代表初ゴールを決め、前向きな一歩を踏み出したのだ。「このまま一生入らないんじゃないかと思った」と本人もコメントしていたが、若かりし日から注目され続けてきた男には想像を絶する重圧があったのかもしれない。

 ここからいい方向に行くと誰もが考えたが、久保建英の代表キャリアは右肩上がりには行かなかった。カタールW杯メンバー入りし、初戦・ドイツ戦でスタメンの座を勝ち取ったまではよかったが、起用されたのは守備的な役割。彼らしい攻撃センスは影を潜め、肝心のラウンド16・クロアチア戦を体調不良で棒に振る羽目になった。

 最終的に第1次・森保ジャパンでの久保は、国際Aマッチ22試合出場1得点。数字的にもかなり不本意な形で幕を閉じた。

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