■選手の活かし方
――選手を尊重する森保監督も、そういう判断を喜ぶのではないでしょうか。
後藤「自分たちで判断して、正しいことをやってくれれば、選手が自分たちで動いてくれるのを見守るのが監督にとってはベストなことだよ」
大住「先日、J1の川崎フロンターレとサンフレッチェ広島の試合を取材して、『大島僚太はすごいな』と思ったんだよ。鬼木達監督はいつの間に指示を出したんだろう、と思うようなタイミングで、すっとポジションを変えて、それによって試合をがらりと変えたんだよね。そういう判断は、本当に必要なもの。日本代表選手はまだ、プランにこだわりすぎるところがあると思うね。このエルサルバドル戦で、旗手のポジション取りが自分の判断によるものだとしたら、大したものだよ」
後藤「旗手は守田とフロンターレで一緒にやっていたから、できるんじゃないかな。フロンターレもアンカー1人、あるいはボランチ2人と使い分けてきたじゃない。たぶん何かあそこであったんじゃないかなという気はする。今回は、守田が伊藤敦樹との交代でベンチに下がったタイミングで、元のアンカーを置く形に戻していたよ」
大住「そうだったね。でも伊藤敦樹はアンカーだと、ちょっと活きないかな」
後藤「活かされなかったよね。チームに慣れるだけの時間もなかったし」
大住「自分で持ち上がったり、最終ラインの裏にランニングするのが非常に得意な選手だから」
後藤「浦和レッズだと岩尾憲がいるから、そういうプレーができるんだよね」
大住「体調不良で離脱した川村拓夢も、伊藤と同じようなタイプの選手。だから2人を並べても、どちらかをアンカーに起用しても、ちょっと気の毒という感じかな」