蹴球放浪家・後藤健生は、世界中のスタジアムをめぐってきた。欧州王者となったマンチェスター・シティのかつてのスタジアムにも足を運んだ。その「フットボール・グラウンド」でまたひとつ、サッカーの歴史と伝統を学ぶことになる。
■マン・Cの思い出
先日行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝ではマンチェスター・シティ(イングランド)がイタリアのインテル・ミラノを倒して初優勝。2022-23シーズンのマン・Cはプレミアリーグ、FAカップと合わせて見事に三冠(トレブル)を達成しました。
マン・Cというクラブは、僕にとっても思い出のあるクラブです。
一つは1972年に「クイズグランプリ」(フジテレビ)で優勝して、同年秋に賞品のヨーロッパ旅行に参加した時、ロンドン滞在中にアーセナル対マン・Cの試合を見たこと。これが海外での初のサッカー観戦だったので、僕にとっては非常に大きな思い出です(「蹴球放浪記」第43回「初めての海外、初めての海外サッカー観戦」の巻)。
この試合の会場は今は閉鎖されてしまったアーセナル・スタジアム(ハイバリー)。昔のままのスタイルの伝統あるフットボール・グラウンドで、最高の雰囲気でした。
立見席がたくさんある伝統的なイングランドのサッカー場は「スタジアム」というより「フットボール・グラウンド」という言葉のほうがぴったりです。
そして、もう一つは1999年にマン・Cのホームゲームを観戦した時の思い出です。