後藤健生の「蹴球放浪記」第166回「記者席のことをプレス“ボックス”というのは何故?」の巻(1)「新聞、記者=プレス」の図式発祥の地は15世紀のドイツの画像
1972年のアーセナル対マンチェスター・シティの入場券 提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、世界中のスタジアムをめぐってきた。欧州王者となったマンチェスター・シティのかつてのスタジアムにも足を運んだ。その「フットボール・グラウンド」でまたひとつ、サッカーの歴史と伝統を学ぶことになる。

■マン・Cの思い出

 先日行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝ではマンチェスター・シティ(イングランド)がイタリアのインテル・ミラノを倒して初優勝。2022-23シーズンのマン・Cはプレミアリーグ、FAカップと合わせて見事に三冠(トレブル)を達成しました。

 マン・Cというクラブは、僕にとっても思い出のあるクラブです。

 一つは1972年に「クイズグランプリ」(フジテレビ)で優勝して、同年秋に賞品のヨーロッパ旅行に参加した時、ロンドン滞在中にアーセナル対マン・Cの試合を見たこと。これが海外での初のサッカー観戦だったので、僕にとっては非常に大きな思い出です(「蹴球放浪記」第43回「初めての海外、初めての海外サッカー観戦」の巻)。

 この試合の会場は今は閉鎖されてしまったアーセナル・スタジアム(ハイバリー)。昔のままのスタイルの伝統あるフットボール・グラウンドで、最高の雰囲気でした。

 立見席がたくさんある伝統的なイングランドのサッカー場は「スタジアム」というより「フットボール・グラウンド」という言葉のほうがぴったりです。

 そして、もう一つは1999年にマン・Cのホームゲームを観戦した時の思い出です。

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