蹴球放浪家・後藤健生にとって、旅とはサッカーと出会うための道である。出向いた先々で、サッカーを探し続ける。世界中に、あらゆるレベルでサッカーがあふれているのだ。
■蹴球を求め続けて
「蹴球放浪家」を名乗るからには、つねに「蹴球」を求めて放浪していなければなりません。「蹴球」と関係ない旅行の最中でも、いつでも「蹴球」を求める……。それが、「蹴球放浪家」なのです。
つまり、旅の途中で「ついでに」どうでもいい試合を見に行くわけです。
時にはビッグマッチに当たることもあります。
1999年4月にワールドユース選手権(現U-20ワールドカップ)がナイジェリアで開催されました。日本が史上初めてFIFA主催の世界大会で決勝に進出した大会です。ナイジェリアまでの直行便はありませんから、僕はオランダ・アムステルダム経由で行くことにしました。
開幕戦は4月3日なので1日夜のラゴス到着にしました。アムステルダム発は1日の昼過ぎです。そして、調べてみると前日(3月31日)夜にはアムステルダムでオランダ対アルゼンチンの親善試合があることが分かりました。
なんと幸運な!