「点差が開かなくても選ばれる選手に」川崎・大関友翔が初ベンチ入りも、交代枠を余らせての出場機会なしで固めた決意…鬼木監督も「まさしくそこ」とさらなる成長に期待の画像
天皇杯2回戦で初めてプロとしてベンチ入りした際の川崎フロンターレのMF大関友翔 撮影:中地拓也

 6月7日、川崎フロンターレ天皇杯2回戦を等々力競技場で戦った。この試合で、プロになって初めてベンチ入りしたのが大関友翔だ。

 カテゴリーで言えば、川崎よりもかなり下に位置する栃木シティが対戦相手だった。ふだん戦う舞台は関東1部で、Jリーグ加盟を目指している段階のチームである。近年の川崎の成績を考えれば、“一蹴”という言葉を思い浮かべる人も多いかもしれない。

 しかしそれは、サッカーの難しさというものが生まれやすい環境でもあった。この試合で川崎は前半18分に先制したものの、追加点が奪えない。そればかりか、後半20分に同点弾を献上してしまったのだ。

 後半18分に宮代大聖が途中出場すると、大南拓磨と永長鷹虎が後半23分にピッチに送り出される。そして再びリードして迎えた後半43分に、脇坂泰斗が4人目の交代選手としてピッチに立った。交代枠は「1」余っていた。しかし、交代回数は使い果たすこととなり、大関友翔は名願斗哉とともに、ピッチに立つことができないフィールドプレイヤーとなった。

 この瞬間、大関友翔が感じたことがあったという。6月8日の練習後、プロ1年目の背番号28は、「初めてベンチ入りできたことは自分の中で大きくて、そこはポジティブに捉えています」と話した一方で、「難しい点差になったときに自分がチョイスされないというのは、自分がまだまだということ。点差が開かなかったから出られなかったというよりは、自分がそういった場面で使われる選手じゃなかったんだなっていうのは実感しました」と冷静に振り返る。

 そして、クローザーとして最後に送り出された脇坂泰斗へのリスペクトと追い求めるべき姿も見据えている。「あそこでヤス君がチョイスされて、自分がチョイスされなかったところを、自分は追い求めていきたい」としたうえで、「そういう選手を超えていかないといけない」と。

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