■翌日の紅白戦での意識の変化
試合前のウォーミングアップで等々力競技場のピッチに立った。ユース時代にもこの場所には立っており、サポーターの姿も見ていた。それでも、「それと違った緊張感」を感じれば、「ロッカールームに入ったらユニフォームがかかっているとか全部用意されていて」とプロの試合であることを実感。そして、「奮い立つものがありました」と語る。
また、大関自身に対しても大音量のチャントが送られたが、それを聞いて、「ここでやってる選手たちはすごいなと思いましたし、これを何回も何回も経験していきたいなって思いました」と目を輝かせた。
ベンチに座っている間、「相手も前からどんどん来てたので、自分がどう落ち着かせるかっていうことを(考えながら)見てました。やっぱり(小塚)和季君とかが時間を作れていた時はチャンスになっていたので。そこで関われたら自分もいいのかな」などと、自分が出場したときのイメージを膨らませてはいた。
また、両親、兄、おばがスタジアムに駆けつけていたこと、さらに、友達も応援を送っていたことを知っていればこそ、目の前にある近くて遠いピッチへの気持ちは高まった。チームの勝利は何よりもうれしいものに変わりはない。しかし、その心中は悔しさと決意がない交ぜになっていたはずだ。
実際、その翌日にチームが行った紅白戦で変化があった。1本目で、主力組とされる選手で構成されたビブスなし組に対し、ビブス着用組はユースの選手も混ざった形で構成された。大関が入ったのは後者。しかし、「A(チーム)を食ってやるって気持ちでプレーできました」と語り、「たくさんのものを吸収しようと思いつつ、(Aチームの)選手を食っていかないといけないという想いも強いので、アピールと自分のできることをチャレンジしようと」いうハングリーさを出して、ボールを追った。前日の悔しさをぶつけるかのように、暑いピッチの上を走り回った