■「誰も助けてくれない」と清水・秋葉監督

 0対1で迎えた後半開始直後、清水はカウンターを浴びる。敵陣のセンターサークル付近で攻守が入れ替わり、一気に3対2の局面へ持ち込まれる。両SBが攻め上がっていたスペースを使われ、48分に痛恨の2失点目を喫した。

 秋葉監督は52分にホナウドとチアゴ・サンタナを下げ、MF宮本航汰をボランチに、FWオ・セフンを1トップに配する。さらに58分、右足首を痛めた神谷に代わって、MFディサロ・燦・シルヴァーノがピッチに立つ。

 しかし、攻撃の迫力は増していかない。秋葉監督は75分にカルリーニョス・ジュニオと乾に代えて、MF成岡輝瑠とFW北川航也を起用する。さらに、選手の立ち位置を変えた。宮本をアンカーに置いて白崎と成岡をインサイドハーフとし、前線には右からディサロ、オ・セフン、北川の3人を並べる。

 システム変更は奏功する。相手ゴールに近い位置でボールに絡めるようになった白崎が。78分にペナルティエリアすぐ外から決めて1点差に迫る。しかし、その後は決定機を生み出せない。後半も10本のシュートを浴びせた清水だが、1対2で敗れてしまった。

 乾と神谷のふたりが距離感近くプレーする前半の形や、ラスト15分からの4-3-3は、オプションとして今後も使えるだろう。攻撃のバリエーションは増えたものの、チームが強みとするべき決定力で、この日は山形に劣った。1対2で敗れた清水は、6位から9位に後退している。

 試合後の秋葉監督は「(ペナルティ)ボックス周りのトレーニングやるしかありません。誰も助けてくれないので、自分たちでしっかり這い上がりたい」と、厳しい表情を浮かべつつ前を向いた。監督交代後はリーグ戦8戦負けなし(6勝2分)とV字回復したが、16節のジェフユナイテッド千葉戦で初黒星を喫してからは1勝3敗と黒星が先行する。J1昇格圏へ再び食い込んでいけるか、ここが正念場だ。

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