■清水の攻撃のオプションが山形を翻弄するも…
「超攻撃的」が、精度を欠いた。
J2リーグ第19節が6月3、4日に行なわれ、6位の清水エスパルスは15位のモンテディオ山形と対戦した。順位は大きく離れているが、清水は勝点28で、山形は勝点22である。しかも、山形は16節から大分トリニータ、ブラウブリッツ秋田、ロアッソ熊本を退け、3連勝を飾っている。リーグ屈指の攻撃力を誇る清水にとっても、簡単な相手ではない。
清水は前節のツエーゲン金沢戦に勝利し、リーグ戦の連敗を「2」で止めた。この日は累積警告で前節を欠場したMFホナウドが先発に復帰し、MF中山克広が負傷離脱の2列目右サイドにはMF神谷優太が入る。前節の後半に負傷交代したMFカルリーニョス・ジュニオは、いつもの2列目左サイドでスタメンに名を連ねる。
清水のキーマンは元日本代表MF乾貴士だ。秋葉忠宏監督の就任とともに4-2-3-1のトップ下に固定されると、ビルドアップからチャンスクリエイトまでを担い、前節までリーグトップの6アシストを記録している。
2日に35歳の誕生日を迎えた乾を、どのように生かすのか。対戦相手の警戒も強まるなかで、この日の清水はオプションを用意していた。2列目右サイドの神谷が内側へ入り込み、乾とともにトップ下のような立ち位置を取るのだ。乾、神谷、カルリーニョス・ジュニオ、FWチアゴ・サンタナがワンタッチでボールをさばける距離感を保ち、左SB吉田豊も高い位置を取ることで、清水は中央から左サイドを制圧する。左で崩して右でフィニッシュの形を何度も作り出すものの、シュートの精度を欠いてしまう。
決定機を浪費したら、試合の流れは変わっていくものだ。40分、山形の右サイドからのクロスが左ポストを叩き、そのままゴールに吸い込まれてしまう。前半だけで10本のシュートを浴びせながら、清水は0対1で折り返すことになってしまった。