世界には多くの国が存在する。大国もあれば、もちろん小国もある。ただし、小さいからといって侮ることはできない。蹴球放浪家・後藤健生は、もちろんスカウティング済みだ。
■欧州の小国家
ヨーロッパには「ミニ国家」がいくつか存在します。
「小さい」といっても、「GDPが小さな貧しい国」というのではなく、面積や人口が小さな国のことです。ミニ国家の中には豊富な天然資源で潤うブルネイや金融ビジネスを武器に経済力の高い国もあり、そういう国では人口が少ないため「1人当たりのGDP」の値は非常に高いのです。
ヨーロッパには中世まで小さな国がたくさんありましたが、近代になると、「国」は広大な領域と多くの人口を抱えた国民国家となっていきました。フランスとかスペイン、ドイツのように数十万平方キロの面積と数千万人の人口を持つ国々です。
イタリア半島にはかつてローマ教皇領や神聖ローマ帝国皇帝領もありましたが、小さな都市国家がたくさんあったのです。ドイツにも皇帝領や王国だけでなく、小さな国が点在していました。そのイタリアやドイツが「国民国家=領域国家」として統一されたのは、19世紀になってからのことでした。
しかし、両側にある大国同士が対立していたなどの歴史的な理由で大きな国民国家に取り込まれることなく独立を保ったのが、今も残っているヨーロッパのミニ国家です。