注目のMF川崎颯太が持つ日本代表MF遠藤航との共通点【日本サッカーの発展の重要なカギとなる「守備技術」と「裏打ちとなる粘り強いメンタリティー」】(3)の画像
日本代表に選出された川崎颯太 撮影/原壮史

 日本のサッカーは成長を続けている。だが、発展の余地は、まだ大きく残されている。サッカージャーナリスト・大住良之は、最近のJリーグでの試合で、その「カギ」を見た。

■川崎の魅力

 さて、シュートは浦和レッズDFマリウス・ホイブラーテンにブロックされた京都サンガF.C.のMF川崎颯太だが、いまJリーグで最も注目されている選手であることは間違いない。もちろん、6月15日と20日にエルサルバドル、ペルーと対戦する日本代表のメンバーに初選出されたからだ。2001年7月30日生まれの21歳。「パリ五輪世代」の選手であり、国内でもほぼ無名といった存在だった。

 山梨県甲府市出身。ヴァンフォーレ甲府のU-15で育ち、京都サンガのU-18を経て2020年にプロ契約。2年目にボランチのポジションで完全なレギュラーとなってJ1昇格に貢献、2022年にはJ1で24試合に出場して堂々たるプレーを見せると、今季、曺貴裁監督は新キャプテンに抜てきした。

 最大のストロングポイントはボール奪取能力だ。浦和戦の開始3分のプレーで見せたように、鋭いアプローチだけでなく球際でボールを奪う技術が高く、久々に出てきた「守備の職人」と言える。

 いま、日本人で最高の「守備の職人」と言えば遠藤航(シュツットガルト)に違いない。ブンデスリーガで2シーズン連続で「デュエル王」になったことでもわかるように、ボール奪取能力は群を抜いている。

 十二分の態勢でボールをもっている相手に対応し、プレーのスピードを制御し、いつの間にか相手とボールの間に体をねじ込み、ボールを自分のものにしてしまう。それは、集中力、読み、そしてボールを奪う「技術」、さらに言えば、一か八かの賭けに出るのではなく、粘り強くチャンスをうかがうメンタリティーを含めた能力のたまものと言える。そして遠藤を彷彿させるものが、川崎のプレーにはある。

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