■ホイブラーテンの守備
同じ５月２７日の「京都サンガＦ．Ｃ．×浦和レッズ」では、対照的にワールドクラスと言っていい守備のプレーが見られた。開始わずか４分のプレーである。
ＧＫ西川周作と両センターバックのＤＦアレクサンダー・ショルツ、ＤＦマリウス・ホイブラーテンの３人でパスを回し、ビルドアップの機会をうかがおうという浦和。このときには、西川はサイドに開いた両センターバックに京都が対応しようとしているのを見て、中央に降りてきたＭＦ岩尾憲へのパスを選択する。
その瞬間、京都のＭＦ川崎颯太が１０メートル近く離れたところから猛然と詰める。いつもなら、こうした場面でも落ち着いて「逃げどころ」を見つけられる岩尾だが、このときはファーストコントロールで小さなミスを犯し、そこを川崎に詰め寄られてボールを奪われる。すでにペナルティーエリア内。川崎はシュート態勢にはいる。決定的な形だ。
以後は混乱を避けるため攻撃側の京都から見て右サイドか左サイドかで書く。
川崎がボールを奪ったのは、浦和ペナルティーエリアのやや右、ゴールエリアの幅から１～２メートル外の地点だった。このときホイブラーテンは、西川からパスを受けるべく、ペナルティーエリアのすぐ右外、ゴールラインから１メートルほどの地点にいた。２人の間の距離は約１５メートルである。川崎は一歩持ち出して右足シュート。そこに猛烈な勢いでホイブラーテンが戻ってきた。そして川崎のシュートをブロックしよう思い切り右足を伸ばすと、ニアポストを狙ったシュートは、体の後ろに残されたホイブラーテンの左足を直撃、大きく跳ね返った。
