■プロスポーツクラブとしての理想形

 また、ウエインズトヨタ神奈川が新たな組織体系になったことも、共闘のメッセージを掲げた理由だという。今年1月、横浜トヨペット、トヨタカローラ神奈川、ネッツトヨタ神奈川の3社を統合し、新会社として『ウエインズトヨタ神奈川』ができた。

 海人さんは、「会社が統合されたということだったんですけど、もう一回、いちから一緒にフロンターレを応援していきましょうという想いも込めています」とも笑顔を見せた。

 フロンターレサポーターがスポンサーに向けて横断幕を掲示するのはこれが初めてではない。本誌でも過去に報じたように、川崎信用金庫へ向けたものなどいくつか例がある。「もっともっとフロンターレを応援してもらえたり、フロンターレを好きになってくれたり、そういう人をもっと増やしていけたら」(海人さん)というサポーターの願いが、他のクラブではあまり見られない行動につながっている。

 クラブ、スポンサー、サポーターの3者がこのような形で視線を一緒にすることは、プロスポーツクラブとしては理想形の一つだろう。川崎フロンターレに関わる人が追い求めるのは、ピッチ上での「最強」とピッチ外での大きな意味での「最強」なのである。

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