■アディショナルタイムの失点で清水が連敗
先行された清水だが、前半のうちにタイスコアに戻す。秋葉体制で好調を持続する乾が、この日も極上のアシストを見せる。
カウンターの局面でボールを運びながら、味方の攻め上がりを待つ。ペナルティエリア手前まで運んだところで、自身の右側からランニングしてきたMF中山克広に右足アウトサイドでパスを通す。こちらも好調の背番号11が、右足の一撃を逆サイドネットへ突き刺した。町田のCBが負傷交代しており、相手が10人だった時間帯を生かした同点弾でもあった。
1対1に追いついた清水は、後半立ち上がりにも決定機をつかむ。ボランチのホナウドがペナルティエリア手前右からクロスを入れると、乾がゴール正面にフリーで走り込んでいた。DFの間でダイビングヘッドを浴びせるが、シュートはGKの正面を突いた。
59分、秋葉監督が交代カードを切る。オ・セフンを下げて、チアゴ・サンタナを送り込む。後半開始から中盤に入っていたDF岸本武流も退き、MF宮本航汰が登場する。
チアゴ・サンタナが入ったことで、前線でしっかりとボールが収まるようになる。しかし、相手ゴールへ迫ることはできない。逆に75分、FWミッチェル・デュークに左ポスト直撃のシュートを浴びる。86分にも町田FW荒木駿太の右足シュートが左ポストを叩く。
アディショナルタイムが5分と表示された直後にも、左ポスト直撃のシュートを許してしまう。清水陣内での攻防が続く。マイボールにすることが難しい。
90+6分、右サイドからのロングスローを跳ね返すが、セカンドボールを回収されてしまう。シュートを浴び、ブロックしたボールが町田の選手につながる。攻め残りしていたCBチャン・ミンギュに、移籍後初得点となる決勝点を決められてしまった。チャン・ミンギュのゴールは、FW顔負けの、こぼれ球を拾ってからの見事な振り返りざまのシュートだった。
試合後の秋葉監督は、自らを激しく責めた。
「僕の采配ミスでこういう結果を招いてしまった。僕ひとりの力不足で、悔しい思いをさせてしまった」
1対1で推移していた81分、秋葉監督はFW北川航也を投入した。中盤をダイヤモンド型にしてチアゴ・サンタナと北川の2トップに変更したのだが、これがうまく機能しなかったのだった。
直接対決を落とした清水は連敗となり、町田との勝点差を「14」に広げられてしまった。2位の東京ヴェルディとも勝点7差で、順位も9位に後退している。
自らへの怒りに震えながら、秋葉監督は「最後の最後、我々は絶対昇格します」と力強く宣言した。今シーズン2度目の連敗から、いかに這い上がるか。清水の胆力が問われている。