■最高の席を「いただき」
「どうしようかなぁ? たまには、こういう所で試合を見るのもいいか……」と思いながら通路に戻ってみると、ゴール裏からバックスタンドに通じる通路には仕切りもなければ、見張りもいませんでした。各ゲートでもまったくチェックはなさそうです。それで、バックスタンドのハーフウェーラインよりちょっと北側の2層目の前方にまだ空席がだいぶあることを発見。いちばん見やすそうな席に勝手に座り込んだというわけです。
しかし、その席の指定券を持った人が来たら、席を明け渡さなければなりません。そこで発動したのが「にらみ返し」作戦というわけです。
別に、落語のように怖い顔をしてにらむわけではありませんが、「こちらはちゃんと指定券を持っているんだ」という顔をして自信満々で構えているわけです。いざとなったら“外国人特権”を生かして「イッタリア~ノ、分っかりましぇ~ん」作戦も発動できます。
こうして、僕は無事にその最高の席で最後まで観戦することができました。