Jリーグは、30周年に合わせたベストアウォーズを発表した。複数あるシュート部門の中でも、久保竜彦氏が決めたロングシュートと、その伝説的ゴールパフォーマンスに、改めて脚光が当たった。
Jリーグは今年、開幕から30周年を迎える。この記念すべき節目の年に、リーグは歴代ベストイレブンなどファン・サポーターからの投票を募っていた。
それらの各賞が、1993年に栄えある開幕戦が行われた5月15日に発表された。MVPには遠藤保仁など、さまざまな伝説的選手、あるいはシーンの受賞が一斉に伝えられた。
中でも見応えがあるのがベストゴールだ。ボレー/オーバーヘッド部門のパトリック・エムボマ氏(当時ガンバ大阪)の度肝を抜く一撃、フリーキック部門の中村俊輔氏(当時横浜F・マリノス)の精緻なキックなど、当時の興奮をよみがえらせる「受賞作品」が、Jリーグのツイッター公式アカウントで公開されていった。
中でも印象深いのが、ミドル/ロングシュート部門で選ばれた一撃だ。2007年のJ1最終節、浦和レッズを相手に横浜FCの久保竜彦氏が決めた規格外のシュートに、あらためて驚きの声が上がっている。
横浜FCにとって、クラブ創設以来初めてのJ1での戦いだった。浦和のホームに乗り込み、開始25分にはオウンゴールで先制点を献上してしまう。
その空気を一変させたのが、「ドラゴン」こと久保氏の一撃だ。ハーフウェーライン手前からのパスを1タッチで流した久保氏に、再びボールが戻る。ゴールまでは30メートルほどの距離があり、パスもそれて自陣方向へ戻りながらボールを拾う格好となった。
受け手としては、どうにもプレーを前に進めるのが難しい状況だったが、久保氏はアイディアも規格外だった。ボールを少し横に動かすと、いきなり自慢の左足を振り抜く。誰もが驚いた次の瞬間には、シュートがゴールに吸い込まれていた。この思考を超越するゴラッソに、「打った瞬間シーンとなるのトリハダ」「怪物」などの声が改めて上がった。