5月10日、ACL決勝のため延期されていた浦和レッズとサガン鳥栖のJリーグ第10節が行われた。浦和にとってはアジア王者として最初のホームゲームとあって、平日水曜日のナイトゲームにも関わらず1万8千人近くのサポーターが集結した。
浦和6日のアルヒラル戦から先発メンバー5名を変更して挑んだが、GKは西川周作。ACL制覇の原動力となった守護神はこの試合でも、前半から好セーブを連発した。前半16分に菊地泰智がPA左寄りのすぐ外から強烈なミドルシュートを放つもこれをセービング。同27分過ぎに左サイドからのロングスローを田代雅也がそらせる形でゴールを狙うが、この決定的な場面も見事なセーブを見せたのだ。
しかし、GK西川が魅せたのはセーブだけではなかった。前半38分過ぎ、ハイプレスを仕掛ける鳥栖に対して浦和はボールを徐々に後退し、西川まで下げる。足を止めない鳥栖の選手は、西川のパスコースを限定しながらプレッシャーを続けるが、守護神の視野は広かった。
トラップと同時にボールを左前に置くと、そのまま利き足で鳥栖の右サイドへロングキック。抜け出していた浦和の左SBの萩原拓也へ通る見事なロングパスを決めて、一気に形勢逆転。その後の大久保智明のシュートやアレックス・シャルクの決定機を演出する起点になった。
この西川のロングパスには、DAZNで実況を務めた桑原学氏も「西川のレーザービーム、これが通る!」と声を張ると、解説をつとめたサンフレッチェ広島時代のチームメートでサッカー元日本代表FW佐藤寿人氏も「ウォオ」と驚きを隠せなかった。