■過去負けなしの水戸とのアウェイ戦で仙台が苦杯
J2リーグは全体の3分の1を消化したが、J1昇格候補のベガルタ仙台にとっては苦しい序盤戦となった。4勝5分5敗と、黒星が先行してしまっているのだ。首位のFC町田ゼルビアとは勝点「13」の開きがあり、13位にとどまっている。
5月7日に対戦した水戸ホーリーホックには、2000年の初対戦からアウェイで一度も負けたことがなかった。敵地では12勝4分と圧倒しており、直近7試合の対戦ではすべて勝利していた。昨シーズンもホームで2対1、アウェイでは3対2で勝利している。ところが、現在のチームには過去のデータが当てはまらないのだ。
中3日の3連戦目ということもあり、伊藤彰監督はスタメンを5人入れ替えた。MF加藤千尋が今シーズン初めてスタメンで起用され、FW中山仁斗が10試合ぶり、CB福森直也とボランチ松下佳貴が7試合ぶり、左SB秋山陽介が4試合ぶりに先発に名を連ねた。
ターンオーバーができるだけの戦力は整っているのだが、一人ひとりの潜在能力がチーム力に反映されてこないのが開幕当初からの悩みだ。今シーズンまだホームで勝利のない水戸に、前半からゴールを脅かされる場面が続く。相手ゴールに迫ったのは前半のアディショナルタイムで、MF郷家友太の左足シュートが右ポストに弾かれる。跳ね返りを狙ったMF鎌田大夢は、雨に足を取られて軸足を滑らせてしまい、シュートは枠を大きく逸れてしまった。
後半開始直後には、水戸のハイプレスを回避できずに自陣でボールを失い、そのままシュートを決められてしまう。過去2試合無得点の水戸に、先制点を許してしまった。
伊藤監督は80分までに5人の交代を終え、前線に人数をかけて相手ゴールをこじ開けようとした。3試合ぶりにメンバー入りしたFW中島元彦も後半開始からピッチに立ち、最終盤はパワープレーをしかけたがゴールをこじ開けられない。2試合負けなしでこの日を迎えた仙台だったが、水戸にホーム初勝利を献上してしまった。
伊藤監督は選手を入れ替え、組合せも変えながら戦っているが、勝ちパターンを作れていない。仙台は浮上のきっかけをつかめないまま、中盤戦へ突入していくこととなった。