■北イタリアの雄大な水田

 そんな水田の風景を見て、日本人は懐かしさを感じます。

 しかし、水田はけっして日本にしかないものではありません。稲の原産地である南中国から東南アジアにかけては稲作が盛んですし、その他、世界中のいたるところで稲は育てられ、人類にとっての貴重な食料源となっています。

 だって、世界中のどこに行ったって米を使った料理はあるじゃありませんか!

 たとえば、イタリアにはリゾット(RISOTTO)があります。米をバターで炒めてスープで炊く料理です。なにしろ、「RISO」はイタリア語で「米」という意味なのですから、まさに米料理の代表でしょう。

 米はどこで取れるのか? それは、北イタリアを流れるポー川流域です。アルプス山脈に源を持ち、ポー平原を東に向かって流れ、最後はヴェネト州でアドリア海に流れ込む全長650キロの大河です。

 ですから、リゾットの本場はイタリアの中でもピエモンテ州(州都はトリノ)、ロンバルディア州(同ミラノ)、ヴェネト州(同ヴェネツィア)と言われています。

 ミラノのあたりを列車で旅していると、広大な平原に水田が広がっている光景を見ることができます。日本の水田地帯よりもずっと雄大な印象を受けます。

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