■後半に巻き返せた理由

 終了直前には岩尾の反則に怒ったサレム・アルドサリが倒れたまま右足裏で思い切り岩尾の脇腹をけり、退場処分となった。サレム・アルドサリはこの試合の先制点を決めただけでなく、昨年のワールドカップではアルゼンチン戦での決勝ゴールを含む2点を記録した攻撃の中核選手。その選手が埼スタでプレーできないのはアルヒラルにとって大きな痛手だろう。しかし初戦は欠場となった攻撃的左サイドバックのヤセル・アルシャハラニの復帰の可能性もあり、戦力が大きくマイナスになるわけではない。

 後半は狙いどおりの試合ができた浦和だったが、前半は一方的に支配され、ほぼ守勢一方のゲーム。マチェイ・スコルジャ監督の理想からは遠い内容だっただろう。しかしそれでも、1試合を通じて、浦和はアルヒラルにそう多くの決定機をつくせなかった。7割以上ボールを支配されても、浦和の選手は非常に落ち着いていた。その背景には、今季就任したスコルジャ監督がこのACL決勝戦に向けしっかりと準備を積み重ねてきた成果がある。

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