浦和レッズが、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦に臨む。目指すは2017年以来のアジア王座だ。今シーズンここまでの歩みが、戴冠の期待とともに、その先の明るい未来の予感につながる。浦和のACL決勝とその先を、サッカージャーナリスト・大住良之が展望する。
■敵地での引き分け
浦和レッズがアウェーでのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第1戦を1-1で引き分けて戻ってきた。5月6日の第2戦、3回目の優勝を目指し、埼スタに強豪アルヒラル(サウジアラビア)を迎える。
初戦を引き分け、第2戦をホームで戦う大きなアドバンテージがあるとはいえ、優勝が決まったもののように思うのは早計だ。アルヒラルは西地区の準決勝(相手はカタールのアルドゥハイル)で7-0で大勝した破壊力のあるチーム。その試合ではオディオン・イガロ(ナイジェリア代表)が4点、ムサ・マレガ(マリ代表)が2点と2トップが大暴れしている。
リヤドでの初戦では、前半早々にDFアレクサンダー・ショルツとGK西川周作が譲り合う形でクロスが流れたところをサウジアラビア代表のサレム・アルドサリに決められ、前半は攻撃の形もできないという一方的な展開に終始した。
しかし後半、前線からの守備が機能し始めると、8分、岩尾憲の縦パスを受けた大久保智明がターンして前方を走る興梠慎三にスルーパス。これはアルヒラルのDFアリ・アルブライヒが倒れながら懸命に触れたが、ボールは前進したGKアブドゥラフ・アルムアユフの逆をつく形になり、左ポストから跳ね返ったボールにいち早く反応した興梠が左足で叩き込んで同点とした。その後はアルヒラルが冷静さを失い、浦和はじっくり守りながら果敢にボールを奪ってカウンターを仕掛けるなど、完全に浦和のペース。1-1のまま試合を終了させた。