■難しい大会スケジュールの設定

 いずれにしても、アジア大陸での国際大会のスケジュール設定は非常に難しい。

 従来、ACLは「春秋制」で行われていた。2月頃に開幕して11月頃に決勝というのがコロナ禍以前のACLのスケジュールである。

 2月はJリーグのチームにとってはシーズンオフ明け。とくにプレーオフからの出場ともなると、キャンプでチーム作りを行ってリーグ戦開幕に向けて調整を行っている時期の試合ということになった。そうした、春先の開幕直前直後の試合ではJリーグクラブは韓国や中国を相手に苦戦を強いられてきた(韓国や中国のチームもオフ明けなのだが、彼らの方が日本のチームより仕上がりは早い)。

 ところが、新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年以降はグループリーグが集中大会になったり、ノックアウト・ステージもホーム&アウェーではなく一発勝負で行うなどの変則日程となった。

 そして、2022年大会は決勝だけはホーム&アウェー方式に戻ったものの、決勝戦の日程は年をまたいで2023年の開催となり、当初は2月に設定されていたものが、諸事情からさらに開催が遅れて4~5月開催となったのである。

 こうして、ACLの決勝戦は2023年の4月末から5月にかけて行われることになったのだが、この時期は西アジアのチーム(アル・ヒラル)にとってはリーグ戦の終盤に当たり、東地区のチーム(浦和)にとっては、開幕からリーグ戦を9試合戦った後でチーム力が安定し始めた時期での開催ということで、今大会の決勝の開催時期は理想的だったような気がする。

 リヤドの気象条件は日本から移動した選手にとっては暑かったかもしれないが、それほど過酷なものではなかったし、5月上旬の日本はサッカーを行うには理想的な気象コンディションだ(今週末は雨の予報も出ているが、日本は雨季、乾季の区別ははっきりしていない国なので雨の問題は時期を何月に設定しても起こりうることだ)。

(3)へ続く
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