■助かった浦和
決勝が4~5月に延期となったことは、浦和レッズにとっても幸運だった。
というのは、浦和は今シーズンから監督が交代し、昨年まで指揮を執ったリカルド・ロドリゲス監督に代わってマチェイ・スコルジャ監督が就任していたからだ。
もし、2月に決勝が行われていたら、新監督の下でのチーム作りが進まないまま、アル・ヒラルと戦わなければならなかったのだ。実際、2月中旬に開幕したJリーグで浦和は連敗スタートとなっている。もし、2月にアル・ヒラルと対戦していたら大敗を喫していたかもしれない。
その後、スコルジャ監督は瞬く間にチーム作りを進め、第3節以降は安定した戦いを繰り広げて、そして大事な決勝戦を迎えたのだ。
ノックアウト・ステージ(ラウンド16~準決勝)が地元での集中開催となったことも含めて、浦和が決勝戦のセカンドレグを有利な立場で迎えることになったのには、スケジュール面でのいくつかの幸運もあったということになる。
そもそも、浦和の決勝戦までの道のりは非常に長いものだった。
というのは、浦和が2022年のACLへの出場を決めたのは、2021年12月19日に東京・国立競技場で行われた天皇杯決勝で大分トリニータに対して勝利した時のことである(槙野智章の劇的な決勝ゴールをご記憶のことだろう)。その日から数えて約1年5か月、2度のシーズンオフと1度の監督交代を経てようやく辿り着いた決勝戦なのだ。