■乾の「日本では初めて」のヘッドで清水が先制
上昇気流をつかんだ、と言っていいだろう。
J2リーグ第11節が4月21、22、23日に行なわれ、前節まで12位の清水エスパルスは大宮アルディージャとのアウェイゲームに臨んだ。序盤からゲームを支配していくと、MF中山克広、MF乾貴士、FWチアゴ・サンタナらが決定機を迎える。しかし、大宮GK笠原昂史の好セーブに阻まれる。それでも20分、敵陣左サイドから乾が右サイドへ展開すると、右SB岸本武流がファーポスト際へクロスを供給する。
ここへ走り込んできたのが乾だった。相手DFの前へ身体を滑り込ませ、ヘディングシュートを突き刺したのだった。「クロスのターゲットは基本的にチアゴ(・サンタナ)なので、その裏で触れたらいいなと思っていました。ヘディングシュートは珍しいですね。日本では初めてですね」という自身シーズン初得点である。
前半は1対0で終了する。秋葉忠宏監督は「前半のうちに3点、4点、5点と仕留めるチャンスがありながら、1点しか入らなかった。危険な状態だとハーフタイムに伝えて、交代選手を含めてこのアウェイの暑いなかでどう戦っていくのか、どうマネジメントするのか話をしていました」と言う。
果たして、56分にカルリーニョス・ジュニオが追加点を蹴り込む。さらに87分、北川航也のシュートをGKがストップしたセカンドボールを、神谷優太がプッシュする。3対0の危なげない勝利に、秋葉監督は「交代選手を含めていいゲームコントロール、いいゲームマネジメントをして、しっかりと3点取って、大人のゲームをしてくれました」と選手のパフォーマンスを讃えた。