J1鹿島アントラーズの鈴木優磨が、第9節でチームを勝利に導く先制点を決めた。そのゴール、さらに喜びの姿は、他チームのファンさえも魅了している。
鹿島はあえいでいた。リーグ開幕から8戦を戦い、2勝1分5敗。4連敗を喫しており、常勝軍団にとっては受け入れられない状況だった。
強気な姿勢で知られる鈴木も、さすがに悩みを隠し切れなかった。スタジアムではサポーターと対話するも、変化を示すには結果を出すしかなかった。
第9節の相手は、アルビレックス新潟。J2から復帰して1年目ではあるが3勝3分2敗で8位につけていた。一度もJ2に落ちたことのないオリジナル10の一角ではあるが、挑戦者として新潟のホームに乗り込んだ。
この一戦で、鈴木は鹿島ユースの後輩でもある垣田裕暉と2トップを組んだ。鹿島の存在意義を知る選手として、最前線で攻守に戦った。
チャンスは早々に訪れた。開始3分、ゴール前に入った鈴木らに向けて、クロスボールが入ってきたのだ。
鹿島の気持ちが上回った、というべきなのかもしれない。3人がニアサイドに流れ、その動きとクロスするように鈴木がファーサイドに入る。その動きに惑わされたか、新潟GK小島亨介の目測にミスが出た。ファーサイドでフリーになった鈴木は、このチャンスに体を投げ出して、ヘディングでゴールネットを揺らした。
待ち望んだ勝利への第一歩。鈴木はピッチにひざまづき、雄たけびを繰り返した。