J1の名古屋グランパスは23日、J1第9節を戦った。湘南ベルマーレ相手に決めた見事なゴールに、称賛の声が上がっている。
名古屋は前節、川崎フロンターレに2-1で勝利し、首位のヴィッセル神戸を勝点2差で2差で追っていた。22日には神戸が横浜F・マリノスに逆転負けを喫しており、名古屋にとっては首位浮上のチャンスだった。
ホームでの一戦は、幸先良く先制に成功する。前半41分、ゴール前でのキャスパー・ユンカーの粘りから、最後は森下龍矢が押し込んだのだ。
ハーフタイムを挟んでも、名古屋の勢いは途切れなかった。後半開始から5分後、追加点を奪うことに成功したのだが、そのゴールが見事なものだった。
名古屋は右CKを獲得した。キッカーは左足での精緻なキックを誇るマテウス・カストロ。ボックス内には名古屋の選手が5人入っていたが、直接送り込まずにボールを短く出し、ショートCKを選んだ……かと思われた。
確かにショートCKではあったのだが、そう単純なものではなかった。ボールがマテウスに折り返される瞬間、湘南の選手が誰も見ていないところで名古屋のユニフォームが動き始めた。ペナルティーアーク手前に立っていた稲垣祥である。
内田宅哉がマテウスにボールを戻した瞬間、稲垣は確信を持ってファーサイドに走っていった。マテウスが大きく弧を描く浮き球を受ける際には、稲垣はまったくのフリー。ゴール前に頭で速いボールを折り返すことができた。
慌てて稲垣に向けられた湘南の選手たちの視線と意識は、まったく対応できず。ゴールの目の前で、こちらもフリーの中谷進之介が気合いとともに頭で押し込んだ。