■映画にもなった「空の神兵」
占領作戦に成功した落下傘部隊は「空の神兵」と称えられ、4月にはビクターレコードから「空の神兵」という曲が発売され、この歌は戦意高揚映画「空の神兵」の主題歌にもなりました。
シャンソンやポピュラーの作曲で知られていた高木東六作曲の軽快なメロディーで、歌詞も色彩感あふれるものでした。軍が作った正式の「軍歌」ではなく、戦時歌謡というジャンルの曲でした。
戦後生まれのはずなのに、なぜ僕がそんなことを知っていたかって?
昭和30年代頃の少年雑誌にはたいてい太平洋戦争の戦記物が載っていましたし、テレビで戦争中の記録映画を見る機会もありました。それに、僕は大学では日本外交史を専攻していましたから、歴史的背景も知っていました。
そんなわけで、パレンバン上空で広大な石油精製施設を見た時、僕はすぐに記録映画で見た落下傘部隊の映像と「軍歌」を思い出したというわけです。
ちなみに、戦時歌謡として生まれた「空の神兵」という歌は、現在でも陸上自衛隊第1空挺団の「隊歌」として使用されています。