■鬼木達監督の理想

 上記の話を聞く前に、鬼木監督は理想のサッカーについて次のように言葉にした。

「最終的にはシステムの話はしないで済むような感じになって、試合を観た人が“今日の川崎は何だったの⁉”ってなるようなのが一番いいのかなと思います。そうすると、相手は“(今日の川崎は)どこを抑えれば良かったの⁉”となるので」

 そう話しながら指揮官は笑顔を見せた。魅了するサッカーへのわくわく感を誰よりも抱いているのだ。

 川崎は、2017年にも感じた“生みの苦しみ”に今年も直面している。しかし、それがあるからこそ、その後の華やかな経歴がある。今回のそれを乗り越えた先にどのような光景があるのか。等々力で、また新たなドラマが生まれる。

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