■必要なのは左サイドバック

大住「この2試合を見ながら、旗手怜央を左サイドバック専門として徹底的に使ってみたらどうかなと思っていたんだよ。昔、ブラジル代表にジュニオールっていう選手がいたじゃない。ジーコやソクラテスら『黄金の4人』がそろっていた1982年のスペイン・ワールドカップの頃に左サイドバックをやっていたんだけど、本当なら10番をつけてもいいくらいのテクニックと運動量を持った選手だった。黄金の4人がすごすぎて左サイドバックをやっていたんだけど、本当にうまかった。ああいうタイプの左サイドバックとして旗手を鍛え上げる方が、世界レベルと戦うには役立つんじゃないかなと思う。だって、パスが出せない選手じゃしょうがないからね。自然にインサイドにも入っていくよね。ボランチもできる、パスも出せる、最終的にシュートも打てるんだから、何で呼ばなかったのか本当に不思議」

大住「ウルグアイ戦では伊藤洋輝と三笘が、左サイドでいろいろな試みに取り組んでいたけど、全部うまくいかなかったもんね」

後藤「伊藤のサイドバック適性はまた別の話として、もうちょっとあそこで正確なパスを判断早く出せないと、かなり詰まる感じになっちゃう。今回三笘が活きなかったのも、相手とイーブンの状態でボールを渡せなかったから。三笘にボールが行く時には、相手に分がある形で詰められていることがほとんどだった。なかなか間合いをつかめず、三笘も困っていた。良い状態でボールを持てたのは、この2試合で1回くらいじゃないかな」

後藤「三笘がボールを持った時には、ゆっくりと前を向いて『さあ、勝負しましょう』っていう、ジョージ・ベストの時代のウィングみたいなプレーになっていたもんね」

大住「そういう面で、左サイドバックの問題というのはすごく大きい。何か解決策を見つけないといけないかなと思う」

(2)へ続く
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