サッカー選手のレベルは、さまざまだ。キャリアにも能力にも差はあるし、人間としての個性もそれぞれだからだ。同じことが、通訳にも言える。取材者にとっては、選手らとの懸け橋となる重要な存在だが、こちらもキャラクターは千差万別だ。蹴球放浪家・後藤健生は、その違いをさまざまな場所で経験してきた。
■インタビューの記憶
サッカーの仕事では、外国人選手や監督、クラブ役員などのインタビューをすることが数多くありました。
僕がこれまでインタビューをしたうちで最大の「大物」といえば、選手ではクリスティアーノ・ロナウド、監督ではジョゼ・モウリーニョでしょうか。
役員でいえばマウリシオ・マクリも超大物の一人です。実業家でもあるマクリは当時はボカ・ジュニアーズの会長(プレジデンテ)でしたが、その後、アルゼンチン共和国の第53代プレジデンテ(大統領)になりました(「蹴球放浪記」第88回「僕がフロリダ通りでネクタイを買ったわけ」の巻)。
そんなインタビューの仕事で、成功のカギを握るのが通訳なのですが、失礼ながらピンからキリまでさまざまな通訳がいます。なかには「トンデモ通訳」もいるので、気を付けなくてはいけません。