■決勝で待つ強敵
とくに、今年は世界大会出場がいつも以上に重要になる。
というのは、2年前に開催されるはずだった各年代のワールドカップが、新型コロナウイルス感染症の拡大のために中止となってしまったからだ。現在のU-20代表の選手たちも、U-17ワールドカップを経験できなかったのだ。だからこそ、U-20ワールドカップ出場は、将来の彼らにとっても大命題だった。
日本の選手たちは、アジア予選で中国やサウジアラビア相手に「アジア相手の負けパターン」という苦しい経験を積むことができた。そして、そうしたアジア勢の挑戦を落ち着いた試合運びによって克服することに成功したのだ。
この経験で彼らは成長し、チームの一体感も増したはずだ。そして、U-20ワールドカップで世界の強豪国の同年代の選手と戦うことでさらに大きく成長できるのである。
ワールドカップ出場権獲得という最低限の目標を達成した日本代表。優勝に向けての戦いは、ヨルダン戦のような冷静沈着な戦いで勝利を積み重ねることになるのか。それとも、まったく別の展開となるのか……。
準決勝で対戦するイラクは基本的にはヨルダンに近いスタイルのはず。ヨルダン戦の経験が生かされるだろう。そして、決勝戦では宿敵の韓国か、あるいはこの数年、若年層の強化が進んでいる開催国のウズベキスタンと当たる。