■日本代表にとっての「鬼門」

 ワールドカップ予選のような公式戦の時でも、何もヨーロッパで活躍している選手を全員日本まで呼び戻す必要はない。

 カタール・ワールドカップのアジア最終予選で日本代表はオーストラリアには2戦とも完勝し、サウジアラビアとも1勝1敗(サウジアラビアとのアウェー戦もたった一つのミスによる敗戦。引き分けが妥当な内容だった)。「苦戦した」という印象が残ったのは、ただ初戦のオマーン戦を落としたことによるものだ。

 オマーン戦は多くの悪条件が重なった試合だった。

 ヨーロッパのシーズン開幕直後でコンディションの上がり切っていない選手たちが日本までの長距離移動を強いられ、集合直後の木曜日に試合が行われた。一方、オマーン代表は早々と日本に乗り込んでいたので万全の調整を行っていたのだ。

 代表選手の多くがヨーロッパでプレーするようになって以来、日本代表にとって帰国集合直後の木曜日の試合は“鬼門”となっているのである。

 移動の負担が大きくなると、代表のパフォーマンスが低下するだけでなく、選手のコンディションが悪化する心配もある。そんなことが原因で所属クラブでのポジションを失ってしまっては元も子もない。

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