■「京都も川崎もさぼりたい選手が一人もいない」
上福元が自分の考えを話すとき、受け手に押し付けをしないようなテンポや語尾を選ぶ。それは、何度か話を聞いていても感じることで、その理由はやはりピッチにあるのかもしれない。
「特に去年に一番気づかされたのは、京都も川崎もさぼりたい選手が一人もいない。一生懸命プレーしているんです。その状況で否定的なことを言えば、言われる選手にとってはフラストレーションにつながってしまうので、それって体がスムーズに動くとか、ポジティブに働きかけるという部分にはつながらないなと思ったんです。
去年、より一層考えたのは、ミスが起きた時も、ミスになりそうなときも、よりポジティブな声をかけてあげることによって、選手って救われる時間ってあると思っていて。逆に自分がそういう声をかけてもらって、助かったこと、(自分の心に)突き刺さった経験が大きかったんで、そういう役割を自分が担えたらと。もちろん、キーパーとして防ぐ部分とか、攻撃につながるような足元の部分とか、自分のプレーを見つめなければいけないと思うんですけど、声の部分でもチームの助けになれればとは意識しています」
次回に続く――。
【かみふくもと・なおと】
1989年11月17日、千葉県千葉市生まれ。182cm/76kg。
京都サンガF.C.から完全移籍。